春日和年Kazutoshi Kasuga

PROFILE
北海道・道東を拠点に活躍するネイティブトラウト界の大御所。イトウ、アメマス、ニジマスなど河川・海のトラウトフィッシングやサーモンフィッシングのためのルアーを発信し、北海道のトラウトフィッシングを長年見つめ続ける。毎年、キングサーモンやシルバーサーモンを追ってアラスカ遠征も重ねている。

視界の隅に一瞬だけ現れる魚のギラつきや動きでさえも捉えやすかった。様々な状況でゲームプランを組み立て、一匹を手にする喜び。そのプロセスを楽しむことも釣りの魅力だと思う。

今年も9月初旬に約10日間の日程で、アラスカへの遠征を決行した。毎年、6月のキングサーモン狙いか9月のシルバーサーモン狙いでアラスカに釣行している。北海道で生まれ育った自分にとっても、彼の地の溶々たる自然の姿は何度見ても見飽きるということがない。視界を埋め尽くす原生林の広大さ、滔々と流れる大河の重量感、そこに遡上するトラウトやサーモンの圧倒的な数……。そして何より、屈強な魚体から生み出されるパワーとの強烈なやり取りは、一度味わってしまったら決して忘れられない喜びをもたらすのである。

経験から導き出した万全のタックルを揃え、現地入り。しかし今回は一つだけ新しいツールが加わった。むろん、新調したばかりの偏光サングラスである。ZEAL OPTICSの “ENZO:TRUEVIEW SPORTS” がアラスカの釣行でどう役立つのか、非常に楽しみにしていた。アラスカでの初日は以前、キングサーモンを釣り上げたディープクリークという河に入川した。曇りで視界は暗め、川も濁っている状況だった。それでもキャストを開始するとすぐに反応があり、狙っていたシルバーサーモンが遡上していることを確認。とはいえ数はまとまっておらず、1本、2本とスローペースで追加していった。この日は3キャッチ、5バラシの結果。翌日からもシルバーは毎日キャッチするが、この地の実力はこんなものではない。やっと大きな遡上と巡り合ったのは釣行5日目のこと。群れに当たってからは約1時間の間、ヒットとリリースを何度も繰り返す。スプーンをボトムまで落としてリトリーブを開始、底を引き摺るようにスプーンを巻き上げる。シルバーサーモンは目の前を通るスプーンに強く反応し、体をくねらせ、銀色の魚体をギラつかせてルアーを追う。この瞬間を見逃さないよう水面に集中し、ギラつきのあった場所を重点的に攻めていくのだ。サイトフィッシングのようだが、魚は一瞬のギラつきしか見えず、完全なサイトフィッシングとは根本的に違う。このような釣りでは目から入る情報が非常に重要で、その一瞬が見えるか見えないかで釣果が大きく左右する。

着用したENZOはフレームが軽く、フィット感は抜群。しかし締め付け感は皆無で、10日間にわたって毎日長時間掛けていても耳が痛くなることもなく、まるで体の一部のように自然だった。これまで他の偏光サングラスでチタンフレームの物を使用していたが、一日の釣りの中でズレを直すことが必ずあった。それが今回はなく、しかもフレームとレンズの間をカバーするようなデザインであるため、余計な光が入らずストレスなく釣りを続けることができた。トゥルービュースポーツは視界を自然な色に保ちつつ水の動きを確実に捉えることができるので、今、魚がここに入っていくだろうという予測も立てられる。さらに今回、とても重宝したのが、視界のほんの隅に一瞬だけ出る魚のギラつきや動きでさえも捉えやすかったことである。これはトゥルービュースポーツの自然な色に加え、死角ができないよう考え抜かれたフレームのデザインが大きく影響したと感じる。  見えることにより、確実に釣果は上がった。川に対してだけでなく、岸辺の環境に対してもコントラストが上がり、周囲状況を瞬間的に正確に把握できる。それはつまり、どこでどう魚を狙い込み、どうランディングするか、何十通りものゲームプランを組み立てる楽しさも増すということである。ただ魚を釣るだけが釣りの楽しさではない。自分の可能性を試し、様々な状況下で一匹を手にする喜び、そのプロセスを楽しむことも釣りの魅力だと思う。そしてもう一つ、曇りでも紫外線が強く、晴れた時などは強烈な日差しが降り注ぐアラスカでは、常に目を保護していることで長期間の釣行でも疲労の蓄積を抑えられると実感した。ENZOとトゥルービュースポーツの組み合わせは、今後の自分の釣りを根底から支えてくれるだろう。